
ジーシーグループ、従業員エンゲージメントを原動力に「健康長寿社会を実現する歯科界のリーディングカンパニー」を目指す

100年超の歴史に宿る「施無畏」の精神
ジーシーグループは、東京での創業以来100年以上にわたり、法華経の「施無畏」という相手の立場にたってすべてをおこなう、という教えを社是として、お客様の立場にたち、お客様からみた価値の実現を第一に考えた真の製品づくりの実践により成長を遂げてきました。3人の共同創業者の1人である中尾清氏は、国民生活に真に役立つもの、製品に高度の技術が要求されるもの、付加価値の高い製品づくりをクライテリアに掲げました。この考えは、今日もなおジーシーの使命を形作り続けています。
ジーシーグループは2013年にスイスにジーシーホールディングスを設立し、グローバル展開を強化・加速しており、現在、世界で3,500人以上の従業員を擁し、34ヶ国にある営業拠点を通じて145ヶ国に歯科医療専門家向けに製品を製造・提供しています。
世界中に3,500人以上の従業員
カ国に供給
販売拠点34カ国
そのうち日本国内で最大規模を誇る株式会社ジーシー*1(以下、ジーシー)には約1,300人が在籍し、日本国内の関連会社13社、中国・韓国・台湾には3社を展開中です。*1 株式会社ジーシーは、株式会社ジーシー、株式会社ジーシーMfg、株式会社ジーシーR&Dの3社を示します。
ジーシーグループの2031年を見据えた「Vision 2031」では、「健康長寿社会を実現する」ためへの貢献を使命とし、品質重視と環境保全の両立を図りながら、世界を代表する歯科界のリーディングカンパニーとなることを目指しています。
ジーシーグループの経営理念:
- 口腔保健の向上を通じ、地球社会に貢献する
- 企業品質の向上を図り、ステークホルダーの信頼にお応えする
- 敬愛に満ち、明るく活力にあふれた"なかま集団"を形成する

戦略的手段としてのエンゲージメント
ジーシーの経営哲学の中心にあるのは、「なかま」という信念であり、協働、相互尊重、そして共通の目的を重視する文化です。従業員エンゲージメントは周辺的な取り組みではなく、GCの価値観を強化し、業績を促進し、人材を定着させるための戦略的手段です。
2022年12月よりジーシーの人事総務担当上席執行役員としてジーシーグループの日本および東アジアエリアにおける従業員エンゲージメント戦略を牽引している吉武伸浩氏は、2022年末に同社のグローバルエンゲージメントプログラムを開始しました。ギャラップ社と提携することで、パフォーマンスのベンチマークを可能にし、グローバルかつ多言語対応のスケーラビリティを実現しました。ジーシーの目的は、エンゲージメント文化を醸成することで、個人と組織のパフォーマンスを向上させ、生産性を高め、従業員と組織との間の感情的なつながりを強化することです。
ジーシーの目的は、エンゲージメント文化を醸成することで、個人と組織のパフォーマンスを向上させ、生産性を高め、従業員と組織との間の感情的なつながりを強化することです。
日本の労働力をめぐる課題への対応
多くの日本企業と同様に、ジーシーも労働力不足に直面しています。帝国データバンクによる2024年の調査では、日本企業の半数以上が従業員不足に悩まされていることが明らかになりました。
また、日本の従業員は転職に対して前向きな姿勢を示しています。ギャラップの「State of the Global Workplace: 2025レポート」によると、日本の従業員の53%が「今は転職に良いタイミングだ」と考えており、これは2024年から13ポイントの上昇です。さらに、日本の労働者のおよそ3分の1が実際に転職活動中、または検討中です。

従業員エンゲージメントは、離職を防ぐ効果的な手段であることが実証されています。ギャラップによる2024年の従業員エンゲージメントに関するメタ分析では、年間の平均離職率が40%以下の企業において、ギャラップのエンゲージメントデータベースで上位25%に位置する部門は、下位25%の部門と比べて、離職率が中央値で51%低いことが示されました。エンゲージされた従業員は生産性も高く、より少ない人数でより多くの価値を生み出すことが可能になります。
エンゲージメントを全社的に推進
2022年に最初のギャラップQ12エンゲージメント調査を開始して以来、ジーシーは急速な進展を遂げてきました。同社におけるエンゲージされた従業員の割合は、2025年初頭には6%から23%に上昇し、日本の労働人口平均(7%)や東アジア地域(18%)を大きく上回っています。
ジーシーの経営陣はエンゲージメントに深くコミットしています。経営陣は調査結果を完全に把握しており、エンゲージメント向上のための戦略策定に参加しています。トップのリーダーシップおよび経営陣の支援のもと、各部署はそれぞれの課題に合わせたアクションプランを策定し、実行しています。
ギャラップの調査によれば、マネジャーはチームのエンゲージメントのばらつきの70%を占める要因となっています。調査結果が組織全体に共有された後、マネジャーである部署長を中心に部署ごとに詳細な分析を行い、それぞれの課題に応じた具体的なアクションプランを策定しています。
70% ギャラップの最大の発見のひとつは、マネジャーやチームリーダーが、チームエンゲージメントの差異の70%を占めているという点です
ジーシーは、エンゲージメント向上のために以下の主要な施策を導入しました。
- エンゲージメントの知識を高める:ジーシーは、エンゲージメントの概念およびQ12の各項目を説明する7本の解説動画を制作しました。
- 強みと弱みを明確にする:各部署は、自部署のエンゲージメントレポートを分析し、改善が必要な具体的領域を特定します。
- 部署ごとのアクションプランの策定:各部署は、課題をエンゲージメントの観点から捉えたオーダーメイドのアクションプランを作成します。
- 部署間でのベストプラクティス共有:各部署長は他部署のエンゲージメントアクションプランを閲覧でき、良い事例の共有が可能です。
- 強固な説明責任の仕組みを構築:ジーシーは200件以上のアクションプランの実施状況をモニタリングしており、現場の従業員へのパルスサーベイを通じて、部署長とそのチームが計画を実行しているかを検証しています。
- エンゲージメントの低い層への対応:過去1年間で、持続的にエンゲージメントスコアが低かった部署に対し、課題の特定と対応策を支援するための重点的セッションが実施されました。
- 成果と影響を共有する:ジーシーは、調査項目ごとのスコア改善や、エンゲージメント向上が事業成果に与えうる影響を共有することで、関心と取り組みの継続を図っています。

将来の成長に向けた基盤づくり
今後を見据えると、ジーシーがイノベーションを起こし、事業を拡大していくうえでの鍵となるのは、同社の文化の強さです。エンゲージメントは単なる人事の施策ではなく、持続可能な業績、レジリエンス、競争優位性を支える中核的な推進要因です。
今後5年間で、ジーシーはエンゲージメントを組織の隅々にまで深く根づかせることを目指しています。それにより、従業員一人ひとりが変化し続ける市場ニーズに応えるための備えと意欲を持てるようにします。こうした取り組みによって、ジーシーは単なる成長にとどまらず、創業から2世紀目に向けて真に業界をリードする存在となることを目指しています。