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憧れの仕事

要点

  • 従業員は最も得意とすることができる仕事を希望します
  • ワークライフバランスの充実と心身の健康は重要です
  • 従業員は更なる安定と雇用保障を求めています

本柵は 2部作シリーズの第1部です。

従業員は仕事や組織に対して何を最も求めているのでしょうか。憧れの仕事とはどのような仕事でしょうか。

これらの質問に対する回答で組織は人材をより上手く引きつける、募集する戦略 を策定することができます。また、回答はなぜ従業員(優秀な従業員も含む)が離職するかについてのインサイトも提供します。

ギャラップ社の「米国の職場状況」(State of the American Workplace) レポート によれば過去3年間で3人に1一人以上(35%)は仕事を変え、うち91%は会社を離れました。

ギャラップ社は他社に転職する際どのようなポイントが従業員にとって重要か尋ねました。従業員が最も重要視するのは組織がどのような仕事(役割)を以下の通り、オファーするかでした。

  1. 最も得意とすることができる
  2. ワークライフバランスの充実と心身の健康の向上
  3. 更なる安定と雇用保障
  4. 報酬の著しい増加
  5. 現在よりブランド価値が高いまたは評判の良い会社で働く機会

本柵は最初の三つの要因を取り上げます。

1. 最も得意とすることができる

今日、お金のためだけに働く人は少なく、仕事に意味や成長を促すコーチングの会話を求めています。これは従業員の60%が 最も得意な仕事をすることは「大変重要」という弊社の調査からも裏付けられます。これこそが最上位の要因です。

従業員が役割と組織にうまくマッチしない場合、従業員はなかなか成功しないもしくは飽きて落ち着きがなくなります。日々やキャリアが無駄に思え、目的意識もなくなります。従業員は自分の才能(自然に成功できる能力)、スキル(実際できること)、知識(現在、知っていること)と役割を統合できた時に最も能力を発揮できます。適切な人材を適切な役割と企業文化にマッチさせることが重要です。

以上の課題の解決策は組織において人材を引きつけ、募集、採用する戦略と組織の人財及パフォーマンス管理戦略にあります。

従業員候補に対して、求職から採用日まで、組織は個人の強みと得意なことを中心に人材育成を行うことを明確にしなければなりません。採用後は個人として組織に価値をどのように提供しているかを考慮し、既存の従業員の定着を図ります。これを行うためには組織の役割と企業文化にマッチする適切な候補者を特定し、従業員の育成と成長は会社の優先事項であることが期待されているという体系的なアプローチを開発する必要があります。

2. ワークライフバランスの充実と心身の健康の向上

人は仕事以外に、生活にも重きを置きます。多くの人々は一方を犠牲にしたいとは思っていません。そのため 53% の従業員はワークライフバランスと心身の健康 (well-being) の向上ができる仕事は「大変重要」と言っています。この項目をより重視する可能性が高いのは男性従業員より女性従業員、ベビーブーマーよりミレニアルやX世代の従業員です。

ワークライフバランスは従業員にとって日常的なことから哲学的なことまで色々な意味を持ちます。人々は以前にも増して働く時間やスケジュールの柔軟性を求め、仕事の質や生産性を妥協することなく、テレワークを希望しています。ギャラップ社の福利厚生調査によれば、従業員の51%はフレックスタイムがある仕事に変えても良い、そして37% は部分的にでもオフィス以外(オフサイト)で働くことができる仕事に変えても良いことがわかりました。

このため、組織がワークライフバランスや心身の健康の向上について「宣言していることをどのように実行しているか」を従業員に理解させることは肝要です。組織は従業員に対してどのようなワークライフバランスや心身の健康の向上策を提供しているかを発信すると共に、これが組織内で企業文化として定着することが必要です。フレックスタイムや類似する制度は魅力的ですが、従業員が実際に利用できて初めて意味があります。

更なる安定と雇用保障

新しい仕事に就く際に、約半分以上(51%)の従業員は更なる安定と雇用保障が「大変重要」と回答しました。 これは男女差もミレニアル、X世代間でも差がほぼありませんでした。それに対して、ベビーブーマーの半分以下がこの項目を「大変重要」としていました。

求職者は財務的に安定した成長可能な会社で働きたいと思っています。組織の安定が確保されていればするほど、未来も描きやすくなります。

組織はブランドの安定性を示すために、長年の成長過程と今後の成長へのヴィジョンを共有します。また、困難な経済状況の際にどのように生き抜いたかの具体例を挙げることもできます。ここで重要なことは求職者が会社の存在意義、会社の評判、そして顧客を増やすことができる良好な位置にあることを理解させることです。会社が設立何年など歴史を語ることは容易ですが、求職者が共感できる本物のユニーク且つ説得力あるストーリーが必要です。

既存の従業員に関しては、会社の未来を信じ、自分がそこに参加している姿を想像できることが必要です。リーダーとマネジャーはそのヴィジョン作りには不可欠です。リーダーは組織がどこに向かっているか、そして経済環境が変化する中で、よりよい明日のために従業員を勇気付ける義務があります。マネジャーは従業員が将来成功できるようなキャリアや育成プランづくりを支援しなければなりません。従業員が最も得意な仕事をして、組織に価値を提供していることがわかると、雇用が保障されている感覚が深まります。

本シリーズの第2部は従業員が報酬の著しい増加とブランド価値が高いもしくは評判の良い会社で働く機会に重きを置くことについて考察します


Gallup https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/305213/%25E6%2586%25A7%25E3%2582%258C%25E3%2581%25AE%25E4%25BB%2595%25E4%25BA%258B.aspx
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